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・原因がはっきりしないのに疲れやすい、だるくて元気が出ない、体が冷える、肩がこる、腰が痛むといった症状には漢方治療が有効です。 ・花粉症、アトピー性皮膚炎、気管支喘息、便秘症、更年期障害、月経困難症などにも効果的です。 ・西洋医学の薬の副作用(たとえば花粉症の薬の眠気、便秘症の薬による腹痛、鎮痛薬による胃腸障害、女性ホルモン薬による血栓症、睡眠薬の依存性など)が気になる方にも漢方治療はおすすめです。 ・漢方薬は顆粒状または粉末のエキス剤を処方します。飲み方もくわしくご説明します。 ・すべて保険診療です。 |
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漢方薬は長期間飲まないと効き目があらわれないのですか? |
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病気により、効果が出るまでの時間は異なります。 例えば、さむけ・鼻水・のどの痛みなどの風邪の初期症状には、お湯で溶いた漢方をのめば30分以内に症状が治まり、西洋薬以上の速効性があります。 食欲不振・便秘などの消化器症状も数日で効果をあらわします。 生理痛や冷え性は2~3カ月で明らかな効果が見られます。 しかし関節リウマチや慢性肝炎などの慢性疾患では、半年以上経過を見なければならないこともあります。このような場合でも2~4週間服薬を続けると「なんとなく元気が出てきた。」「食欲が増してきた。」というような肯定的な反応がでてきますので、服薬を続けるめやすとなります。 |
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漢方はどんな病気に向くのですか? |
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下記表内に記載します。 |
虚弱体質の改善 | 疲れやすい、胃腸が弱い、冷え性、風邪をひきやすい、などの体質改善 |
アレルギー性疾患 | アトピー性皮膚炎、気管支喘息、花粉症(アレルギー性鼻炎)などで西洋薬の副作用が気になるとき |
消化器疾患 | 胃もたれ、むねやけなど上腹部の不定愁訴、便秘・下痢・過敏性腸症候群、慢性肝炎、肝硬変 |
婦人科疾患 | 生理痛、更年期障害、不妊症 |
小児科領域 | 虚弱児の体質改善、気管支喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、起立性調節障害、夜尿症、小児心身症 |
その他 | 頭痛、めまい、肩こり、腰痛、膝のいたみ、不眠症、前立腺肥大症 |
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高血圧・糖尿病・高コレステロール血症を漢方で治したいのですが? |
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たんに血圧や血糖値、コレステロール値を下げるだけなら、西洋薬にも副作用が少なく効果のよいすぐれた薬がいくつもあります。 数字は適切なレベルまで下がったのに、頭が重い、手足がしびれる、「こむらがえり」を頻回におこす、口が渇く、だるくて気力がわかない、などの随伴症状のとれない方には、漢方はおすすめです。漢方を併用することで、西洋薬の服用量を減らすことができるばあいもあります。 |
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漢方薬には副作用がないというのは本当ですか? |
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西洋薬に比べれば頻度は少ないのですが、漢方も薬である以上、副作用は皆無ではありません。 マオウ(麻黄)を含む処方は、高血圧・狭心症・不整脈の持病のある人には要注意です。また前立腺肥大の人は尿が出にくくなることがあります。カンゾウ(甘草)を含む処方でむくみ・高血圧・筋肉痛などの症状が出る特異体質の方がまれにあります。ケイシ(桂枝)やニンジン(人参)を含む処方で発疹のでる場合が、またサイコ(柴胡)とオウゴンを含む処方で間質性肺炎・薬剤性肝障害や膀胱炎をおこす例があります。 副作用とまぎらわしいものに「瞑眩(めんげん)」があります。漢方薬が効果を現すまえに、一時的に体調が悪化したり予期せぬ症状がでる現象です。この場合は薬をそのまま続けていればすぐに症状は消失します。 |
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漢方薬を妊娠中や授乳中に飲んでも害はありませんか? |
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妊娠初期(第12週頃まで)は漢方といえども薬を避けるにこしたことはありません。 妊娠中期以後は比較的安全に使用ができますが、早産・流産の危険性があるダイオウ(大黄)、ボウショウ(亡硝)、トウニン(桃仁)、ボタンピ(牡丹皮)、コウカ(紅花)、ゴシツ(牛膝)などを含む処方は慎重に使用するべきです。 授乳中はダイオウ(大黄)を含む処方に注意します。その成分が母乳に出て、赤ちゃんが下痢をすることがあります。 |
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なぜ空腹時に飲むのですか? |
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速やかに腸に到達するので、効き目が早く現れること、食物成分との相互作用を生じにくいこと、食後服用の多い西洋薬との相互作用を防ぐことなどより、原則として食前または食間(食事と食事の間、すなわち空腹時)に服用をすすめるのが一般的です。 しかし、のむのを忘れたときは食後でもかまいませんし、一回の分量が多いときは何回かに分けてのんでもさしつかえありません。 |
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子供にのませるコツは? |
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意外に抵抗なくのんでくれるお子さんも多いのですが、どうしても嫌がるときには、薬を少量の水で練ってペースト状にし、指で子供の上あごに薬をぬりつけ、水やジュ-スをのませると、うまくのませることができるようです。 冷たいと苦味などを感じにくくなるのでアイスクリーム、シャーベットやゼリーなどに混ぜてあたえてもよいでしょう。オブラートに包んでのんでもかまいません。 蜂蜜に混ぜる方法もありますが、1歳未満の乳児は避けるべきです。(ボツリヌス菌感染症の危険性があります。) |
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お茶や牛乳で飲んでもかまいませんか? |
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漢方薬の成分と反応して、吸収がわるくなる可能性があるので、おすすめできません。 なるべく、白湯でのんでください。 |
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漢方薬と一緒に使用してはいけない西洋薬は? |
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下記に記載します。 |
漢方薬 | 西洋薬 | 注意事項 | ||
小柴胡湯などの柴胡剤 | + |
インターフェロン (慢性肝炎治療薬) |
= | 間質性肺炎の可能性が高くなるので禁忌 |
マオウ(麻黄)配合薬 (葛根湯、小青竜湯、麻杏甘石湯など) |
+ |
気管支拡張薬 (テオフィリン製剤、β2刺激薬などの気管支喘息治療薬) |
= | どちらも交感神経を興奮させ、高齢者では不整脈や狭心症を引き起こすことがあるので、使用量に注意 |
カンゾウ(甘草)配合薬 (芍薬甘草湯、甘麦大棗湯、人参湯など多数あり) |
+ |
降圧利尿薬 (サイアザイド、フロセマイドなど) |
= | むくみ、筋肉痛、低カリウム血症、高血圧などの、偽性アルドステロン症が出やすくなる |
カンゾウ(甘草)配合薬 (芍薬甘草湯、甘麦大棗湯、人参湯など多数あり) |
+ |
肝臓病治療薬 (強力ネオミノファーゲンC、グリチルリチン製剤など) |
= | むくみ、筋肉痛、低カリウム血症、高血圧などの、偽性アルドステロン症が出やすくなる |